SCALA

2020.12.07
株式会社スカラ

アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社との業務提携および
SCSV1号投資事業有限責任組合による第三者割当増資の引受けに関するお知らせ

〜オートクチュール(高級注文住宅)市場に加えプレタポルテ(高級既成住宅)市場創出に
向けた日本最大級の建築家ネットワークにおけるDX推進~

 株式会社スカラ(本社:東京都渋谷区、代表者:梛野憲克、以下「当社」)は、日本最大級の建築家ネットワークを活かし建築家と建設会社を結びつけ、両者の協力のもとでプラットホーム(ビジネスの基盤となる環境)を構築し、顧客が望む住宅・商業施設等を供給するアーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表者:丸山雄平、証券コード:6085、以下「ASJ」)と業務提携に係る契約(以下「本業務提携」)を本日締結し、当社子会社である合同会社SCLキャピタル(以下「SCL」)が運営する、社会的問題をビジネスで解決する企業に投資する「価値共創エンゲージメントファンド」であるSCSV1号投資事業有限責任組合(以下「SCSV1号」)は、ASJが実施する第三者割当増資(以下「本第三者割当増資」)の引受けを決議したのでお知らせいたします。

1.背景と目的

当社:DXを推進するために各業界、関連技術に精通したパートナーと協業

 当社は、創業以来、IT・新規事業開発・ファイナンスにより顧客のニーズを柔軟に形にしながら独自のストックビジネスモデルで継続成長してきました。更なる成⻑を⽬指して、当社は、「クライアントと共に社会問題をビジネスで解決する、価値共創企業」へと展開する計画について、2019年8⽉14⽇開⽰の「中期経営計画COMMIT5000」で発表いたしました。
 当社が培ってきた3つの能⼒「①真の課題を探り出す能⼒」「②リソースの埋もれた価値を炙り出す能⼒」「③課題とリソースの最適な組み合わせを提案・実⾏し価値を最⼤化する能⼒」をもとに、国内の⺠間企業だけでなく、国内外の⺠間・政府・⾃治体へとサービス提供の範囲を拡大し、地域、国、地球レベルの課題を解決するための価値共創プラットフォームを実現していく計画となっています。
 特に、AI/IoTを用いたデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)を推進し、事業成長を加速するというテーマの中で、当社グループは、国内外のDXを推進するために各業界、関連技術に精通したパートナーとの協業を積極的にすすめております。具体的には、ヘルステック、アグリテック、教育テック、不動産テックなどで、国内外の有望パートナーとの戦略的提携を推進しています。
 ASJは、日本最大級の建築家ネットワークを有しており、本業務提携及び本第三者割当増資により、当社によるAI/IoT/ITの技術、SCLによる資金、及び当社の完全子会社で、価値創造経営支援を行うジェイ・フェニックス・リサーチ株式会社(以下、「JPR」)による中期的な展望に関する統合報告書の作成や株主価値経営システムの導入、IR支援などにより、ASJの建築家ネットワークのDX推進および企業価値向上を総合的に支援します。その中で、JPRが推進するGCC経営※1(JPRによる価値創造経営支援の思考ツール)や経営デザインシート※2を活用し、革新的なビジネスモデルの価値創造経営の視点に立った経営戦略を支援し、ASJの価値向上を図ります。 

※1:GCC経営とは、JPRによる価値創造経営支援の思考ツールであり、当社グループでは、この思想ツールをベースに投資先の価値創造支援をおこなうと同時に、価値創造の実現手段としてデジタルトランスフォーメーションをワンストップで支援を行っており、Growth(売上成⾧)、Connection(人・事業のつながりの改善=資本の利益率向上)、Confidence(信頼向上=リスク低下)の3要素を重視する。全てのステークホルダーの幸せにフォーカスすることで、非財務情報と財務情報を統合的に結びつけて、株主価値の持続可能性を評価する分析フレームワークである。投資家の幸せは企業価値の三要素のフレームワークを用いる。社員の幸せは米国の著名な心理学者、マズローの五つの欲求段階説を用い、五つの欲求が満たされれば、人は幸せを感じると考えられる。同じ株主価値でも、社員の幸せが向上する仕組みがビルドインされていれば、より持続可能性が高いと判断できる。

※2:経営デザインシートとは、内閣府知的財産戦略推進事務局が作成した「知財が企業の価値創造メカニズムにおいて果たす役割を的確に評価して経営をデザインするためのツール」であるhttps://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html 参照。

ASJ:建築家ネットワーク事業の展開を通して、美しい日本を創造

●日本最大級の建築家ネットワークを運営

 ASJは、「ASJ建築家ネットワーク事業」の展開を通して、美しい日本を創造することを目的に設立され、「建築家の活動量に比例して、都市は豊かになる」ことを支援する経営方針を掲げ、日本最大級の建築家ネットワークにより良質な住宅を提供しています。人生で一回あるかないかの家づくりにおいて、自分だけの唯一無二のオリジナルな住宅を建築するためには、建築家の選定が必要です。しかし、日本では自分で建築家を選定し、自分だけの家を建設する文化が根付いておらず、建築家への巡り会いは困難な状況です。こうした課題に対応するために、ASJは日本最大級のネットワークを運営しており、自分だけのオリジナルの家が欲しい人と建築家、及び建設会社を最適に結びつけたプラットフォームを提供しております。

●オートクチュール市場(高級注文住宅)を最適に手掛けるプラットフォーム

 ASJは、「プランニングコース」において、建築家と契約前にとことん納得するまで対話するスタイルを推進しています。従来、建築家に依頼して戸建てを建築する場合は自ら建築家を選定し、多くのケースでは設計契約をしないとプロセスを進めることが出来ませんでした。しかし、ASJが提供するプランニングコースの会員は、多くの建築家から自分に合った建築家を選定し、相談を重ね、納得した段階で設計契約を結ぶことができます。このプランニングコースは、服飾業界におけるオートクチュールの位置づけとなる高級注文住宅を最適に手掛けるプラットフォームとなっています。
 ASJのプランニングコースについては次の図をご覧下さい。

■ASJと従来サービスの比較

プランニングコースによるオートクチュール市場
(高級注文住宅:haute couture)の建設を実現

●過去の名作住宅の図面を再利用するサービス「PROTO BANK」の開始

 ASJは、現在の「ASJ建築家ネットワーク事業」に、これまでの過去の名作住宅の図面を再利用する新たなサービス「PROTO BANK」を加えることにより、一段の成長をめざしています。
 建築家による高級注文住宅は魅力的ですが、相談から工事完成引渡しまで期間を要し、材質にもこだわる方もいらっしゃるため、建設費用が高めになる傾向があります。これらの問題を解決するためにPROTO BANKは過去に建築した住宅の図面を再利用するため、何度も見積もりをする必要がなく、建設費用も明確です。また、各種グレード設定に合わせた建材の提案ができ、建設コストを抑えることも可能です。
 「PROTO BANK」はこれまで存在しなかった服飾業界におけるプレタポルテ市場の位置づけである高級既成住宅(prêt-à-porter)を創出します。

●これまで存在しなかった建築家によるプレタポルテ(高級既成住宅)市場の創出

 「PROTO BANK」には過去の建築家の手掛けた作品が登録されているため、顧客が土地に合わせた最適な住宅を、ネット上で簡単に比較し選択することが可能です。既に過去に建設会社により施工されているため、正確な設計図書や施工に関する情報が記録されており、短納期で建設が可能、またハウスメーカー同様のコスト管理が可能です。

■「PROTO BANK」のスキーム

●プレタポルテ住宅市場規模の潜在的ポテンシャルとASJの売上規模ターゲット

 日本の集合住宅を除いた新築戸建て住宅のうち、分譲住宅および貸家を除いた市場規模は、2019年度において以下に示すように、約28万戸となっています。その内、建築家注文住宅は、矢野経済研究所調べによると約11,300戸となっています。

■2019年度の新築戸建て新設住宅着工数

戸建て新設住宅着工数(貸家除く) 429,492戸
うち持家 283,338戸
うち分譲住宅(一戸建) 146,154戸

(出所)国土交通省「建築着工統計調査報告」

 プレタポルテ(高級既成住宅)市場のポジションは、以下の図で示すように、建築家注文住宅とハウスメーカーの住宅の間になるとみております。建設コストはハウスメーカーと同じで、より高いブランドイメージを持つ新たな住宅セグメントを切り開くことになります。ASJは10年以内に、現在の建築家の注文住宅と同程度である市場創出を目指していきたいとしております。

■プレタポルテ(高級既成住宅)市場のポジショニング

貸家除く戸建て新設住宅着工数 42.9万戸

2.本業務提携及び本第三者割当増資の意義と内容

当社とのシナジーについて、以下の表にまとめましたのでご参照ください。

■当社とのシナジー

 当社グループは価値創造経営の視点で支援するとともに、DXの経験を活かしてASJと建築施工DXプラットフォームを共同で構築してまいります。

2社の資本業務提携によるシナジー

・DXプラットフォームの構築による多様な関係者の最適マッチングプラットフォーム
・WEBマーケティングツールの提供
・コールセンターのIT技術を利用した、対建築家、対工務店、対建築資材メーカー、対施主のソリューションの協同開発
・革新的なビジネスモデルの価値創造経営の視点(GCC経営、経営デザインシート)による構造化で全体最適の実現及びすべてのステークホルダーとの最適な価値共創推進
・以上をまとめた統合報告書作成等による、投資家にアピールするIR戦略の支援

建築施工DXプラットフォームを共同で構築へ

3.業務提携会社の事業概要

社名 アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社
英語名 ARCHITECTS STUDIO JAPAN INC.
設立年月日 2007年11月9日
代表者 代表取締役社長 丸山雄平
本社所在地 東京都千代田区丸の内三丁目4番2号
事業内容 全国の建築家を登録・ネットワーク化するとともに、建設会社をフランチャイズ化して、登録建築家と加盟建設会社及びパートナー建設会社とを結びつけ、両者の協力のもとでプラットフォームを構築し、顧客が望む住宅・商業施設等を供給
資本金 441,215千円(2020年9月30日現在)
従業員数 52名
大株主及び持株比率
(2020年9月30日現在)
丸山 雄平 28.73%
木下 昭彦 23.79%
中谷 宅雄 9.09%
株式会社ピュア・クリエイト 4.81%
溝江 弘 4.16%
溝江 将光 2.63%
ASJ従業員持株会 1.95%
むさし証券株式会社 1.11%
玉置 順 1.04%
株式会社イン・コントロール 1.01%
当社と当該会社との間の関係 資本関係 該当事項はありません。
人的関係 該当事項はありません。
取引関係 該当事項はありません。
当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態 (単位:千円。ただし、特記した場合を除く)
決算期 2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期
純資産 827,873 857,858 360,505
総資産 1,164,170 1,209,039 631,692
1株当たり純資産(円) 512.73 532.46 221.06
売上高 1,286,678 1,253,252 890,190
営業利益又は営業損失(△) △96,960 34,422 △445,093
経常利益又は経常損失(△) △78,686 31,573 △452,364
当期純利益又は当期純損失(△) △246,175 30,109 △524,253
1株当たり当期純利益又は当期純損失(△)(円) △153.10 18.68 △322.87
1株当たり配当金

4.取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況

異動前の所有株式数 0株
(議決権の数:0個)
(議決権所有割合:0.0%)
取得株式数 108,400株
(議決権の数:1,084 個)
取得価額の総額 98,969,200円(1株につき913円)
異動後の所有株式数 108,400株
(議決権の数:1,084 個)
(議決権所有割合:6.23%)

5.日程

(1)本業務提携及び本第三者割当増資に関する取締役会決議日 2020年12月7日
(2)本業務提携及び本第三者割当増資に関する契約締結日 2020年12月7日
(3)本第三者割当増資の払込期日及び本業務提携の開始日 2020年12月24日(予定)

6.今後の見通し

 本件により、両社の中長期的な企業価値の向上につながるものと考えておりますが、現時点での当期業績に与える影響は軽微であると見込んでおります。今後開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。

以上

NEWS TOPへ戻る