SCALA

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GREETING

グループ代表挨拶

株式会社スカラ 取締役 代表執行役社長 梛野 憲克

 昨今のIT/AIを中心とした劇的な技術革新により、人々の生活における利便性がますます向上してきているとともに、業務自動化による効率化や業務最適化、データ予測といった、特化した領域において人の作業能力を超えるパフォーマンスにより労働人口減少に対応するなど、技術により解決可能な課題が少しずつ増えてきています。

 一方で、企業が意識し取り組みはじめた社会課題は、ますます複雑で解決困難になってきており、ほとんどの社会課題において人が起因もしくは深く関係している以上、技術だけでは解決できないものとなってきています。

 これを解決するには、人・団体・企業・国、そして国の連合体で大きな課題を解決する方向に意識を合わせ、その上で技術や仕組みが掛け合わさることで、大きな課題を解決するモノやアイデアが創造されると思います。

 そこで必要なのは、正しい情報と人の理解、判断力だと言われることがあります。そして、それに対して正しい情報を集め、人が理解できるように説明し、ある程度想像できて大多数が賛成するであろう結論に流れてしまいがちです。それはまるで、大量の情報を集め、最適な解を検索し、その理由を提示するAIロボットのようです。しかしながら、情報を集めようとする中に最適な解があるとは限りません。

 私はこれまで、大手メーカーのクライアントや金融機関との取引、投資や起業・事業家発掘、企業育成の中でのベンチャー企業とのやりとりなど、いろいろな方々とのコミュニケーションの中で、素晴らしい考え方や仕組み、技術が埋もれていると感じることがあります。また同時に、せっかく良い考えがあっても、それを形にする土壌が十分に整っていないと感じることがあります。

 私が想う理想の世界は、世の中に埋もれた価値あるモノや考え方が引き出され、それに共感する仲間が自然と集まり、その価値を超えようと競い合い、一人ではいくら考えても発想し得ない新たな価値が生まれるという、価値が価値を創造するような「価値が溢れ出てくる世界」であり、当社グループを、それを実現するための土台としてのプラットフォームにしていきたいと思います。

 それは、クライアントであっても、ユーザであっても、株主であっても、社員であっても、社員の家族であっても、スカラグループと何らか関係を持つことで、人が色々な刺激を受けてそれをきっかけとして新しいことに気づき、新しい考えを持つ人と出会い、発想を繰り返し、新しい価値を生むなど、人が成長するきっかけになりたい、ということです。そうすることで人のつながりができて大きな力となり、人の成長が企業の成長、企業の成長が国の成長につながっていきます。

 理想のAIは、刻々と連鎖的に変化する人の知識と経験の状態(従前知らなかったことがあっという間に知っている状態になり、その直後にはアイデアを発想し、行動しているという速度感での状態変化)と、ますます加速して発展する周りの環境の状態を前提として、精度は低くても、先の先を予測しながら、時には熟考し、時には条件反射的に気づきや可能性の場を提供するものと考えています。そして、人と人、企業と企業が『共創』するように、人とAIが共創できると思っています。

 AIロボットが知識だけを与えても理解して判断することが難しいように、人が生まれてからの成長は学校で知識を得ることだけではなく、幼児期に五感が磨かれ、運動能力が向上し、人との関わりで多くを考え、時には訓練、時には反射的に行動することで経験が溜まり、そういったことが積み重ねられて、初めて理解と判断ができるようになります。それは社会に出てからの人の成長も同じであり、改めて人の成長の原点に立ち戻り、これから生まれてくる子供たちにとって何があったら理想なのかを考えることにより見えてきた企業としてやるべきことを当社の使命と考えて、我々は今後も邁進して参ります。